お寺の近況報告

『新盆の旅装束』一式を慶国寺でも承ります。

日本各地では海開きや山開きのニュースが聞こえ始め、心躍る季節となりました。
皆さんは今年の夏はどのように過ごされますか?

さて、7月に入り東京近郊ではお盆を迎えたご家族も多いはずです。
慶国寺のお檀家さんは8月盆が多いのであまり7月のお盆はピンとこないご家庭が多いのですが、、、

さてさて、昨年のお盆から本年のお盆までに納骨された仏様は『新盆』となります。
新盆の仏様はいつものお盆とは違うご供養の方法があります。
その中でも『新盆の旅装束(たびしょうぞく)』をお供えし、ご供養する方法があります。

新盆の旅装束には、網代笠、杖、手拭い、草履、足袋、お米、をご用意してください。
この旅装束は霊山浄土(あの世)から娑婆世界(この世)に帰ってくる際の旅路に必要なものであり、1つ1つの品物にはそれぞれ意味があります。

網代笠は仏様の徳(御魂)が宿るとされています。
杖はこの世とあの世の境界を区切る役目があります。
手拭いはあらゆる物を浄化させる役目があります。
草履は大地を踏みしめる役割から、新たな儀式の時には新品の物を供える風習があります。
また塙には魂を繋ぐ意味が込められています。
そして、その草履を直に履かない為に足袋を用います。
お米には魔を払うと同時に、仏様が生前掛けていた願を解く『願解き』の役目があります。
つまり、未練を残さずに霊山浄土に旅立てるようにという意味合いがあります。

仏事や神事の際に用意する品々はその時々によって何気なく用意していますが、実はその一つ一つに深い意味を持っています。
これらは各家で代々伝わってきた事ですが、昨今の情報社会によって消えてしまうこともあります。
これらを次の世代に伝えることもお寺の役割かと思います。

また、今までは新盆家の方々に新盆の旅装束一式をご用意して頂いておりましたが、なかなか適当な物を揃えることが難しいとのお声がありました。
そこで、本年より慶国寺でも承ることになりました。
ご希望の方にはご用意いたしますのでお声がけください。

さて、今年の夏も暑くなりそうです。(もしかしたら冷夏かもしれませんが、、、)
こまめに水分補給をして体調をしっかり管理してください!

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この記事を書いた人

渡辺知応

長秋山 慶国寺 副住職
一般社団法人 Speciality Plus 理事
(終活の総合サポート団体)
一般社団法人 日本ハッピーエンディング協会 認定講師 
  
日蓮宗僧侶として行学に精進すると共にハッピーエンディングプランナーとして終活相談を行っている。世界三大荒行である日蓮宗大荒行堂を2度経験。池上本門寺、中山法華経寺、柴又帝釈天での山務を経て本格的に慶国寺へ戻り、松戸市では数少ない室内参拝型の納骨堂『慶松庵』をスタートさせる。『家族に負担をかけないお墓』をコンセプトに利用者の声に日々耳を傾けて運営中。その結果、ハッピーエンディングカードを使った終活相談を開始する事となった。

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