
今月のお釈迦さまの名言は
「人生の中で最も貴重な宝は平穏である」です。
「宝」と聞くと、
多くの人は財産や名誉、
成功といった“目に見えるもの”を
思い浮かべるかもしれません。
しかし、
お釈迦さまはそれらよりも、
心が穏やかであること、
つまり“平穏”こそが何よりの宝だと説かれました。
たとえば、
忙しい毎日の中で
予定が思い通りに進まずイライラしたり、
人間関係のちょっとしたすれ違いで
心がざわついたりすることがありますよね。
そんなとき、
ふと立ち止まって深呼吸をしてみると、
不思議と心の波が静まっていくのを感じることがあります。
ここで言う「平穏」とは、
何も起きない日々を指すのではありません。
むしろ、何があっても心を見失わず、
穏やかさを保てる力のこと。
怒りや不安に飲み込まれるのではなく、
感情を少し引いた場所から見つめることができる、
そんな心の落ち着きが、
人生の豊かさに繋がるのです。
そのためにできることは、ほんのささいな習慣の中にあります。
たとえば、
朝起きたときに
「今日もありがとう」と自分に声をかける。
スマートフォンから目を離して、
季節の風や空の色に意識を向けてみる。
夜寝る前に、
今日一日で自分ががんばったことを
ひとつ思い出して褒めてあげる。
それだけで心がほっと緩んでいきます。
私たちは、
外の世界の出来事をすべてコントロールすることはできません。
でも、
自分の心のあり方は、
少しずつでも整えていくことができます。
どんな日であっても、
心の中に静かな場所を持てるように。
そんな「平穏」という宝を、自分の中に見つけていきたいものですね。