ごえんクラブJ

「さようなら」の本当の意味を知っていますか?

ごえんクラブJ@慶国寺の渡辺知応です。
今週は仏教用語の
『さようなら』
について少しお話ししたいと思います。

「さようなら」という言葉、
普段何気なく使っていますが、
もともとは
「左様ならば(そうであるならば)」
という丁寧な表現から来ているといわれています。

つまり、
「そういうことでしたら、これにて失礼します」
という意味合いを持っていたのです。
この一言の中に、
「事情を受け止め、そっと離れる」
という思いやりが込められていたことに気づくと、
なんだか優しい気持ちになりますね。

仏教には
「諸行無常(しょぎょうむじょう)」
という教えがあります。

すべての物事は変化し続け、
いつかは終わりが来るという真理です。
人との出会いも別れも、
形あるものも、
永遠には続きません。

「さようなら」は、
まさにこの無常を受け入れる言葉だといえるでしょう。

別れを否定するのではなく、
静かに受け入れることで、
次の出会いや出来事に心を開く準備ができるのです。

例えば、
毎日使っているお気に入りのマグカップが割れてしまった時、
「残念!」と思うと同時に、
「さようなら、ありがとう」
と心の中でつぶやく。
それだけで執着を手放す練習になります。

人とのお別れも同じ。
「さようなら」は、
悲しみの中にも感謝や祈りを込められる、
不思議な言葉なのです。

これからも日常の中の
「さようなら」にそっと仏教のこころを
重ねてみてはいかがでしょうか。

ごえんクラブJ@慶国寺
渡辺知応

渡辺知応

渡辺知応

長秋山 慶国寺 副住職

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