「引導」とは、
人を導いて仏さまの教えに引き入れるということです。
「引導をわたす」というのは、
人生の最後である葬儀式の中で、
お釈迦さまや日蓮聖人が残された教えや言葉を示して、
あの世(霊山浄土)におもむくときの
心がまえを説いて、
不安がないようにと、
亡くなった方に伝え教えてあげることです。
仏教の葬儀式で一番大事な部分でもあります。
人間というものは、
未知のことに遭遇すると怖くて心配でなりません。
皆さんもそのような経験があるのではないでしょうか。
まして、
この世に生きている人が
誰も経験したことがない場所へ旅立つ際には
計り知れない不安があるはずです。
その際に
これからのことを約束する言葉を
かけてもらえれば安心できるものです。
「引導をわたす」際に
読み上げる文にはこれらのことが書かれています。
ちなみに、
葬儀などの法要の際に
中心となって儀式を司どる僧侶を
「導師」 といいいますが、
仏さまの教えへと導いて下さる方ということから
この名がつけられています。