
ごえんクラブJ@慶国寺の渡辺知応です。
今週は仏教用語の
『いってらっしゃい』
について少しお話ししたいと思います。
「いってらっしゃい」という言葉、
皆さんも毎日のように使っているのではないでしょうか。
家族が仕事や学校に出かけるとき、
自然と口から出るこの一言には、
「気をつけてね」
「無事に帰ってきてね」
という願いが込められています。
一見するとただの日常のあいさつのようですが、
実はこの言葉の中に仏教の大切な教えが生きていると私は感じています。
仏教には「慈悲(じひ)」という言葉があります。
「慈」とは、
相手が幸せになるようにと願う心。
「悲」とは、
相手の苦しみが和らぐようにと祈る心。
まさに「いってらっしゃい」は、
目の前の人の安全と幸せを願う、
そんな慈悲の心そのものだと思うのです。
また、仏教では人生そのものを
「道(どう)」にたとえます。
人はそれぞれの道を歩んでいて、
時には迷い、時には立ち止まることもあります。
「いってらっしゃい」は、
そんな人生の旅路に出かける相手を、
そっと見送り、信じて待つ言葉です。
そして帰ってくること、
再び会えることへの信頼
それは「ご縁」を大切にする仏教の精神ともつながっているように思います。
何気ない日常の中のひと言にも、
やさしさと祈りのこころが込められています。
今日も大切な人に「いってらっしゃい」と笑顔で声をかけてみてください。
その一言が、仏教の教えをそっと実践する第一歩になるかもしれません。
ごえんクラブJ@慶国寺
渡辺知応