先日、電車の中でふと小耳に入ってきた会話がありました。
「あそこのお寺は10月にお施餓鬼するんですって。まぁ、ずいぶんと遅いわねぇ〜」っと。
あーこれは、いかん!いかん!絶対にお盆とお施餓鬼が混同してるな…。
そして、多くの方が同じ事を思っているに違いないと思いました。
たしかに、お盆の前後にお施餓鬼という単語を多く聞くので、同一視される事が多いのかもしれませんが、この二つの行事は別々のものなのです。
お盆は七代父母親族のご先祖様への供養を祈る事であり、正式には7月15日と定めている行事に対して、お施餓鬼は字の如く、餓鬼に施しをする法要であり、正式な日付などは決まっておらず、年間を通していつでも執り行う行事なのです。
なので、本来の意味からすると”お盆=お施餓鬼”では無いのですが、なぜか多くの方がそう思っています。
しかし、これには理にかなう教えが代々受け継がれているのではないかと思います。
まず、昔々のご先祖様が語り聞かせた”お盆の話し”に餓鬼が登場します。
既にこの時点で ”お盆=お施餓鬼”の方程式の80%が出来上がってしまったのではないかと思います。
そして、餓鬼のいる世界(餓鬼道)はとても熱いと言われております。
夏の暑い時期にその世界を想像する意味でも合点し、また干上がっている餓鬼道の方に水分を与える供養方法【水向供養】の意でも瓜を供養しなさいと言われておりますので、夏の食べ物である水瓜が必然とお供えされお盆をより象徴させます。
このように代々受け継がれた教えなどが年を重ねて色々な事柄と交わり、お盆とお施餓鬼がいつの間にか一緒と考えるようになってきた事と思います。
交わってはいますが”お盆とお施餓鬼”が別々の行事である事が分かったのではないかと思います。