
今月のお釈迦さまの名言は
「言葉は力を持つ。慎重に使いなさい。」です。
日々の生活の中で、
私たちは数え切れないほどの言葉を口にしています。
家族との何気ない会話、
職場での業務のやり取り、
友人との雑談やSNSでの発信。
その一つひとつが、
相手の心を明るくすることもあれば、
反対に重たくさせてしまうこともあります。
お釈迦さまが説かれた「正語(しょうご)」の教えは、
まさにその力を自覚し、
慎重に扱いなさいと伝えているのです。
仏教では避けるべき言葉として、
嘘をつくこと、
仲を裂くような言葉、
きつい言葉、
無駄な言葉、の四つが挙げられます。
逆に、
真実であり、
和を生み出し、
やさしく、
そして必要な場面で用いられる言葉こそが望ましいとされます。
これは特別な修行ではなく、
私たちの毎日の暮らしの中で、
すぐに実践できる心がけです。
たとえば、
家族に「ありがとう」と一言添えるだけで、
家庭の雰囲気は和やかになります。
職場で誰かを注意するときも、
「なぜそうした方が良いのか」
をやさしく説明すれば、
相手は素直に受け止めやすくなります。
さらにSNSに投稿する前に
「ほんとう?」
「やさしい?」
「いま必要?」
と心の中で確認する習慣を持つと、
不要な誤解やすれ違いを
防ぐことができます。
言葉は目には見えませんが、
人の心に深く刻まれ、
時には長い時間残り続けます。
だからこそ、
お釈迦さまは「慎重に使いなさい」と説かれました。
私たちも今日からほんの少し言葉を選び、
相手を大切にする気持ちを込めて話すことで、
言葉を誰かの心を温める力として活かしてみませんか。