「卍」紋様の歴史は古く、
今から約1万年前の新石器時代にまでさかのぼります。
その頃のインドでは既に卍記号は生まれており、
仏教やヒンドゥー教で頻繁に使用されてきた歴史があります。
仏教の影響がさほど無い国でも卍記号が彫られた遺跡も発見されており、
世界各地の人々に親しまれた紋様だと言えます。
そもそも「卍」は、
サンスクリット語で「スヴァスティカ」と呼ばれ、
吉祥の印として、
「幸せ」や「めでたい」という意味があります。
また仏教ではこの卍紋様は仏様を象徴する印の一つとされています。
寺院の建物をよく見ると色々なところに卍紋様が彫刻されているのはこのためです。
地図記号に卍が用いられているのは、
仏様がいる場所を示す意味を込めてこの記号が使われたということです。
また、この卍が右に回っている事も重要なポイントです。
仏教では「右」をとても尊重して考えています。
ちなみに仏様の髪の毛なども全て右回りに巻いています。
その反対に左に巻いてあるものはつむじ曲がりといい、
あまり良い意味で使われていないのです。