こんにちは。
慶国寺の渡辺知応です。
皆さんは日々の生活の中で
「いのち」について考えることはありますか?
仏教では、
「いのち」は単なる生物学的な生命を超え、
存在そのものやすべての
生きとし生けるもののつながりを意味します。
普段、私たちは
「いのち」を自分自身の生命活動として捉えがちです。
しかし、仏教の視点では、
自分だけでなく他者や自然、
宇宙全体にまでその概念が広がります。
例えば、一輪の花や流れる雲にも
「いのち」が宿っています。
この広い視野を持つことで、
日常の中に多くの「いのち」を感じることができます。
仏教の教えである
「縁起(えんぎ)」は、
すべての存在が相互に依存し合っていることを示しています。
私たちの「いのち」は
他者や環境とのつながりによって支えられています。
朝食の一杯の味噌汁も、
生産者や自然の恵み、
多くの人々の努力があってこそ味わえるものです。
このつながりに気づくことで、感謝の心が芽生えます。
また、「無常(むじょう)」という教えから、
すべてのものは常に変化し続けると説かれています。
今日ある「いのち」や環境が明日も同じとは限りません。
一瞬一瞬を大切にし、
今この瞬間を生きることの大切さを教えてくれます。
家族や友人との時間、
自分自身の健康、
当たり前と思っている日常が
実はとても貴重なものなのです。
では、私たちの日常で
「いのち」を感じるためには
どうすればよいのでしょうか。
まずは、小さなことにも
「ありがとう」と感謝する習慣を持つことです。
道端の花を眺めたり、
鳥のさえずりに耳を傾けたりすることで、
自然とのつながりを感じることもできます。
また、困っている人に手を差し伸べることで、
他者とのつながりを深めることができます。
瞑想や深呼吸を取り入れて、
自分自身と向き合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。
その中で、自分の「いのち」だけでなく、
周囲の「いのち」にも思いを馳せることで、
心の安らぎや充実感を得られるでしょう。
慶国寺
渡辺知応