ごえんクラブJ@慶国寺の渡辺知応です。
あー!
全くあいつは「度しがたい」ヤツだ!
とか、、、
あそこまで頑固になられると、
ホントに「度しがたい」よね。。。
と言った具合で使う、
「度しがたい」という日本語があります。
あなたはこの日本語を使った事はありますか?
この言葉の成り立ちは「度し+がたい」だという事は、
まぁまぁなんとなく察しがつくと思います。
さてさて、ではこの「度し」といったいどんな意味なのかというと、、、
「度し」のもとは「度する」
つまり、「物の道理を言いきかせてわからせる」という意味のサ変動詞です。
更にこの「度する」の元は
『済度(さいど)する』という語です。
で、この「済度」とは仏教用語なのですが、、、
「救済」とか「救い」という意味なのです。
お釈迦様が人間を苦しみや迷いから救い、
「悟りの境地」へ至るための、
つまり心の苦しみや迷いが解けて、
その原因に気がつかせる事を意味します。
済度された人間は
その次のステップに進み、
そこでもまた別の心の苦しみや迷いの壁に当たります。
そこで再度、
その状況に合わせた言葉により済度され、、、
を繰り返していくのが人の生きる道です。
この「済度する」を略して
「度する」と言います。
現代にお釈迦様はいらっしゃいませんが、
仏の心は誰にでも持ち合わせています。
大切な人に良き道を進んでもらいたいと思い、
道理を説き、納得させようと話し合いをした事があるのではないでしょうか。
この事を「度する」と言います。
それでも改善されない状態を
「度しがたい」というようになりました。
相手のでたらめさや頑迷さを、
見るに見かねてお説教するものの、
一向にわかってもらえない、
もうどうしようもないや!
とさじを投げてしまった時に使う
日本の美しき言葉です。
ごえんクラブJ@慶国寺
渡辺知応